2018年
問題84騒音と振動に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.
(1)道路交通振動に対する振動規制は,昼間より夜間の方が厳しい.
(2)点音源の場合,音源までの距離が10倍になると,音圧レベルは約20dB減衰する.
(3)防振溝は,回折減衰効果を利用した振動対策の方法である.
(4)対象騒音が暗騒音より10dB以上大きい場合は,測定音を対象騒音と判断して良い.
(5)不規則かつ大幅に変動する振動に対する振動規制法による規制基準は,最大の振動加速度レベルによって定められている.
2018年
問題84正解(5)頻出度AA
振動規制法による規制基準(2018-84-1表)は,最大振動加速度ではなくて,測定結果の80%レンジ上端値(L10)である.
振動規制法の振動測定では,振動レベル計で,5秒間隔で100回程度測定し,全ての測定値を大きさの順に並べ替えて大きい方から10%目の数値である80%レンジ上端値L10を用いている.
区域の区分/時間の区分 | 昼間 | 夜間 |
第一種区域※ | 六十五デシベル | 六十デシベル |
第二種区域 | 七十デシベル | 六十五デシベル |
※ 第一種区域 良好な住居の環境を保全するため,特に静穏の保持を必要とする区域
-(2) 因みに線音源の場合は,距離が10倍になると10dB減衰する.幹線道路の騒音などが線音源に当てはまる.
-(3) 建築物外から伝搬・侵入する道路交通振動や列車振動等に対する対策方法は,建築物又は敷地境界に「防振溝」を設ける方法等が有効な対策法としてあげられる.回折減衰効果による防振溝は,溝が深いほど,また振動源に近いほど効果が大きくなる.
-(4) ある騒音・振動環境下で,対象とする特定の音以外の音・振動を暗騒音・暗振動という.
暗騒音・暗振動によるマスキングを防ぐために,なるべく暗騒音・暗振動が小さい時期,時間帯に対象騒音・振動を測定することが望ましい.対象騒音・振動が暗騒音・暗振動より10dB以上大きい場合には測定値は対象騒音であると判断できる.10dBに満たない場合は暗騒音の除去などの対応が必要となる.