2023年
問題15感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という.)に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか.
(1)感染症の発生を予防し,及びそのまん延の防止を図り,もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的としている.
(2)国及び地方公共団体は, 感染症の患者等の人権を尊重しなければならない.
(3)厚生労働大臣は,基本指針に即して,予防計画を定めなければならない.
(4)国民は, 感染症に関する正しい知識を持ち,その予防に必要な注意を払うよう努めなければならない.
(5)感染症とは,一類感染症,二類感染症,三類感染症,四類感染症,五類感染症,新型インフルエンザ等感染症,指定感染症及び新感染症をいう.
2023年
問題15正解(3)頻出度AA
厚生労働大臣が基本方針を定め,それに基づいて予防計画を立てるのは都道府県(感染症法第十条).
-(5) 感染症法による感染症の分類(2023-15-1表参照).
分類 | 定義等 | |
一類感染症 | 感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症 | |
二類感染症 | 感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく 総合的な観点からみた危険性が高い感染症 | |
三類感染症 | 感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく 総合的な観点からみた危険性は高くないものの、特定の職業に就業することにより感染症の集団発生を起こしうる感染症 | |
四類感染症 | 人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症 | |
五類感染症 | 国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症 | |
新型インフルエンザ等感染症 | 新型インフルエンザ:新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体と するインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められているものをいう. 再興型インフルエンザ:かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう. |
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指定感染症 | 一~三類および新型インフルエンザ等感染症に分類されない既知の感染症の中で、一~三類に準じた対応の必要が生じた感染症(政令で指定、1年限定) | |
新感染症 | 人から人に伝播すると認められる感染症で、既知の感染症と症状などが明らかに異なり、その伝播力および罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症 | 〔当初〕 都道府県知事が、厚生労働大臣の技術的指導・助言を得て、個別に応急対応する 〔政令指定後〕 政令で症状などの要件した後に一類感染症に準じた対応を行う |
新型コロナ感染症は当初の新型インフルエンザ等感染症から,2023年5月8日より5類感染症に変更された.