2023年
問題32健康増進法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.
(1)特定施設の管理権原者は,法で定められた禁煙エリアに喫煙専用器具及び設備(灰皿等) を利用可能な状態で設置してはならない.
(2)特定施設の管理権原者は,法で定められた禁煙エリアで喫煙している者に対し,喫煙の中止又は禁煙エリアからの退出を求めるよう努めなければならない.
(3)病院や学校は,たばこの煙の流出を防止するための技術的基準を満たしていたとしても屋内に喫煙場所を設けることはできない.
(4)受動喫煙防止を目的として罰則規定が設けられている.
(5)加熱式たばこについては,規制対象とならない.
2023年
問題32正解(5)頻出度AA
加熱式たばこも規制対象である.
健康増進法の定める喫煙とは次のとおり.
「人が吸入するため,たばこを燃焼させ,又は加熱することにより煙(蒸気を含む.次号及び次節において同じ.)を発生させることをいう.」(法28条第2項).
加熱式たばこは,たばこ葉を燃焼させることなく加熱し,ニコチンを含むエアロゾルを生成する (電子たばこは,たばこに似た成分を含む液体を蒸散させる.電子たばこは今のところ健康増進法の規制対象外とされているが,地方自治体の条例などによる規制ではマチマチ).
-(3) 健康増進法は,受動喫煙防止のために喫煙場所等を規制している.
第一種特定施設である病院や学校では,屋内に喫煙場所を設けることはできない(2023-32-1表参照).
施設種別 | 施設例 | 規制内容 |
第一種特定施設 | 学校,病院,児童福祉施設 国及び地方公共団体の行政機関の事務処理のための庁舎 |
特定屋外喫煙場所以外の敷地内禁煙 |
第ニ種特定施設 | 第一種以外の施設 | 喫煙専用室以外の屋内禁煙(住居,旅館の客室を除く) |
受動喫煙防止の規定による都道府県知事の命令に従わなかった喫煙者,放置した施設管理権原者には罰則が科せられる(それぞれ30万円,50万円以下の過料).