2023年

問題37情報機器作業に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.

(1)一連続作業時間は90分を超えないようにする.

(2)グレア防止用の照明器具を用いる.

(3)最も多い自覚症状は,眼の調節機能の低下や疲労,痛み,充血等である.

(4)高齢者は眼の調節力の低下があるため,作業に必要な照度に関して配慮が必要である.

(5)ディスプレイを用いる場合の書類及びキーボード上における照度は300 lx以上とする.

2023年

問題37正解(1)頻出度AAA

情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によれば,『一連続作業時間が1時間を超えないようにし,次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け,かつ,一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けるよう指導すること』.

※ 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」

-(2) 上記ガイドラインには,『間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること.』とある.
一般にグレアを防ぐために,近い視野内での輝度比は1:3程度,広い視野内の輝度比は1:10程度が推奨されている.

-(3) グレア(glare:眩輝げんき)とは極端に高輝度の光源の存在により視力が低下したり眼の不快感がもたらされることをいう.視力低下を伴うグレア(夜間の対向車のヘッドランプが例)を減能グレア,その他を不快グレアという.

照明のグレアの評価には利用者の視線に入る器具の輝度を基にしたUGR値(Unified Glare Rating:屋内統一グレア評価値)が用いられる.
JIS Z9125屋内照明基準によるとUGR13でまぶしさを感じ始め,19で気になる,25で不快,28だとひどすぎると感じるとしている.事務所の執務室では19,製図室では16を超えないようにする.UGR値を求める式はいささか複雑であるが,下記に参考のサイトを示す.
岩崎電気・ライティング講座(照明講座)

-(4) 上記ガイドラインでは,高齢者に対して,見やすい文字の大きさや作業に必要な照度,作業用照明機器,作業時間,作業密度,教育,訓練等について,高齢者の特性に適合させる,などの配慮事項が挙げられている.

-(5) 改正された上記ガイドラインでは,「ディスプレイを用いる場合の書類及びキーボード上における照度は300 lx以上とする.」はそのままであるが,以前あった「ディスプレイ画面上の照度500 lx以下とする」の記述は削除されている.