2023年
問題59個別方式の空気調和設備に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.
(1)ビル用マルチパッケージには,同一室外機系統でも室内機ごとに冷暖房が選択できる冷暖房同時型というタイプがある.
(2)圧縮機の駆動力は,電力を用いるものとガスエンジンによるものがある.
(3)特殊なものを除き,通常は外気処理機能をもたない.
(4)分散設置空気熱源ヒートポンプ方式では,圧縮機のON-OFF制御が主流である.
(5)分散設置水熱源ヒートポンプ方式は, 冷房と暖房が混在する場合には熱回収運転が可能である.
2023年
問題59正解(4)頻出度AAA
「ON-OFF 制御」→「インバーターによる回転数制御」が正しい.
今のパッケージエアコンは,分散設置空気熱源ヒートポンプ方式に限らず,インバーターによる回転数制御が主流となり,ON-OFF制御よりも部分負荷効率が改善された.
-(1) 冷暖房同時型のビル用マルチパッケージでは,室外機・室内機の冷媒配管を,分流コントローラでつなぎ,要求に応じて室内機ごとに液冷媒もしくはガス冷媒を送る(次のサイトを参照・三菱電機・ビル用マルチエアコン).
-(2) 圧縮機を電力で駆動するものをEHP,ガスエンジン駆動のものをGHPなどと呼ぶ.GHPでは,ガスエンジンの排気熱を有効利用できるので寒冷地の暖房に向く.
-(3) 別途全熱交換器,外気処理ユニット等を用いて換気を確保する.
-(5) 分散設置水熱源ヒートポンプ方式は,冷房運転モードの室内機が循環水へ捨てる熱を暖房運転モードの室内機が吸い上げるので,冷暖房同時運転時に熱回収できることが大きな利点であるが,室内機内の圧縮機の騒音と,天井内に張り巡らされた冷温水管からの水漏れが問題となることがある(2023-59-1図参照).