2023年
問題88ある部屋の作業面の必要照度が750 lxであった.ランプ1本当たりの光束が3,000 lmのランプの必要灯数として,最も近いものは次のうちどれか.
ただし,その部屋の床面積は100m2,照明率を0.6,保守率を0.75とする.
(1)15灯
(2)25灯
(3)34灯
(4)42灯
(5)56灯
2023年
問題88正解(5)頻出度AAA
照明の設計おいて,人工照明による作業面照度平均値[Lx]は以下の光束法で計算される.
ただし,:ランプの数,
:ランプ1灯当たりの光束[Lm],
:照明率,
:保守率,
:床面積[m2].
光束法の式を変形して,与えられた数値を代人すれば,
・・・・答 56本
式中の照明率とは,光源(ランプ)から出る光束に対する作業面に入人射する有効な光束の比率のことで,照明器具の配光,室内表面の反射率,室の大きさ・形状などによって決定される.
保守率は,照度を一定期間維持するための係数で,照明施設をある期間使用した後の作業面上の平均照度と初期平均照度との比で表され,光源の設計光束維持率(
)と照明器具の設計光束維持率(
)から求められる.
光源の設計光束維持率は,点灯時間の経過に伴う,光源自体の光束減退・球切れ等による照度低下を補償するための係数であり,使用する光源の初期光束(100時間値)と,光源を交換する直前の光束との比で表される.これらの値は光源の種類によって異なる.
照明器具の設計光束維持率は,照明設備を使用し始めてからの経過時間に伴う照明器具の汚れ等による光束低下を補償するための係数である.
光源・照明器具の経年的な汚れの程度は,照明器具の構造とその取り付け状態,光源の種類,照明器具の周囲環境等によって異なる.
同じ環境の場合,下面開放型より完全密閉型の照明器具の方が設計光束維持率は高い.このほか室内各面の汚れ,退色等による室内面の反射率低下も影響するが,これらによる照度低下の割合は光源及び照明器具に起因する照度低下の割合に比べて極めて小さいので,保守率は,
としてよい.
保守率を左右する要因を再度まとめると次のとおり.
光源の種類,照明器具の周囲環境条件(温湿度,粉じんの発生量等),照明器具の構造(露出形,下面開放形,簡易密閉型,完全密閉形等),取り付け状態,照明設備の保守管理状況(清掃間隔等).