2023年

問題105建築物の維持管理に関する略語とその内容との組合せとして,最も不適当なものは次のうちどれか.

(1)PFI    民間主導の公共サービス事業

(2)BIM    ビルエネルギー管理システム

(3)POE    建築物使用者の観点による性能評価システム

(4)LCCM   建物の生涯にわたって必要なすべての費用の管理

(5)ESCO   省エネルギー診断からシステム設計,効果の検証まで提供するエネルギー総合サービス事業

2023年

問題105正解(2)頻出度AA

ビルエネルギー管理システムはBEMS(Building Energy Management System)である.

BIM(Building Information Modeling)は,一般的には CAD 等で作成した 3 次元デジタルモデルに意匠・構造・設備設計の様々なデータとともに,コストや資材管理工程管理,設備配置と施工,運用,維持管理まで建物全体の管理情報データを付加したトータルデータベースで,建築の意匠構造設備設計から施工管理,建物設備運用改修解体まで建物のライフサイクル全体を管理する情報ソリューションである.効率化やコスト管理はもちろん各種シミュレーションまで統合的に行うことができる.欧米で普及している(日本ではこれから).

-(1) PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ):公共施設等の建設,維持管理,運営等を民間の資金,経営能力及び技術的能力を活用して行う手法.駐輪場の整備運営事業から国立病院の運営事業など数多くの実施例がある.

-(3) POE:Post Occupancy Evaluation.別名「施設利用者満足度評価」.オフィスの移転・改修後に,入居者がオフィスなどの機能や環境をどう評価し,どの程度満足しているか調査し改善効果を測定するためのツール.オフィス賃貸業者や施設管理会社が利用している.

-(4) LCCM:Life Cycle Cost Management.今は LCCM で検索すると,「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅」がたくさん出てくるが.

-(5) ESCO(Energy Service Company)事業には,ギャランティード・セービング方式とシェアード・セービング方式の2つがある.
ギャランティード・セービング方式は,顧客が自己投資によりESCO事業者が提案した設備機器を導入し,ESCO事業者が削減効果を保証する方式のことである.
シェアード・セービング方式は,ESCO事業者が資金を調達して設備機器を導入し,省エネルギーによるランニングコスト低減分の中から,設備費・工事費・検証費などを支払っていく方式のことである.