2023年

問題110給水設備で使用される貯水槽に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.

(1)鋼板製貯水槽は,防せい処理被膜の劣化状況の定期的な点検が必要である.

(2)FRP製貯水槽は,耐食性に優れている.

(3)FRP製貯水槽は,耐震などの機械的強度が高い.

(4)ステンレス鋼板製貯水槽は,表面がきれいで汚れも付きにくい.

(5)木製貯水槽は,断熱性に優れている.

2023年

問題110正解(3)頻出度AAA

-(3) FRP製貯水槽は,耐震などの機械的強度が低い.

貯水槽の種類については,2023-110-1表参照.

2023-110-1表貯水槽の種類
鋼板製貯水槽 鋼板の一体成形構造に防錆材(エポキシ樹脂)を焼き付けコーティングしたもの,鋼板製パネルにナイロンコーティングしたものをボルトで組みてるパネル型等がある.

1)加工性に優れ,価格も比較的安価である.

2)機械的強度が強く,耐震補強をする必要がない.

3)防錆理被膜を毎年点検する必要がある.防錆理被膜が破壊されると,本体の鉄の腐食が進行する.

FRP製貯水槽
(FRP:
繊維強化プラスチック)
FRP製貯水槽は軽量で施工性に富み,耐食性があり衛生的であるため,貯水槽の主流となっている.

1)水槽内照度が100Lxを超すと,藻類が繁殖しやすい.照度率(槽内照度/外部照度×100)を0.1%以下にする.

2)機械的強度は低い.

3)経年変化による強度劣化があり,又紫外線に弱い.

4)複合板構造のFRP製貯水槽では結露による問題はほとんど起こらない.

ステンレス鋼板製
貯水槽
強度があり,普通鋼板に比べて板厚を薄くでき,重量も軽く外観もきれい.

耐食性に優れているが,塩素により気相部(水槽の水位面より上部の空気が存在する部分)に腐食が発生することがある.

気相部に耐食塗装を施したり,塩素に強いステンレス鋼板を用いるなどの対策を施す.

木製貯水槽 大型貯水槽には木製のものもある.

1)木製貯水槽は堅ろうで狭い場所での搬入・現場組みてが容易である.

2)断熱性がよく,結露の心配がない.

3)形状が円形又は楕円形に限定される.

4)喫水部に腐朽の恐れがある.