2023年
問題112給水設備に関する次の記述のうち，最も不適当なものはどれか．
（1）高層ホテルのゾーニングにおける給水の上限水圧は，0.3MPaである．
（2）小便器洗浄弁の必要水圧は，70kPaである．
（3）事務所における1日当たりの設計給水量は，節水器具を使用する場合70~100L/人である．
（4）給水配管の管径は，管内の流速が2.0m/s以下となるように選定する．
（5）高置水槽の有効容量は，一般に1日最大使用水量の1/10である．
2023年
問題112正解（3）頻出度AAA
事務所の設計給水量は，節水器具使用の場合は 40～60L/(人･日)とする．
建物の用途別設計給水量は，2023-112-1表参照．
| 事務所，官公庁 節水器具使用の場合 |
60～100L/人 40〜60L/人 |
| 社員食堂 | 25～50L/食 80～140L/食堂m2 |
| 戸建て住宅 | 300～400L/人 |
| 共同住宅 | 200～350L/人 |
| 総合病院 | 1,500～3,500L/床 30～60L/m2 |
| ホテル客室部 | 350～450L/床 |
| 飲食店 | 55～130L/客 |
| デパート スーパーマーケット |
15～30L/m2 |
| 小中高校 | 70～100L/人 |
-(1) 高層建築物では，給水を1系統で供給すると，下層階において給水圧力が過大になり，器具類の機能障害や，ウォータハンマ等の原因となる．このため，圧力を抑えるために上下の系統分け(ゾーニング)を行い（2023-112-1図），ホテル・住宅では0.3MPa，事務所・工場では0.5MPaを上限水圧とする．
-(2) 給水器具の最低必要水圧は，2023-112-2表参照．
| 器具 | kPa | |
| 一般水栓 | 30 | |
| 大便器洗浄弁 | 70 | |
| 小便器洗浄弁 | 70 | |
| シャワー | 70 | |
| ガス瞬間湯沸器 | 4～5号 | 40 |
| 7～16号 | 50 | |
| 22～30号 | 80 | |
-(4) 配管は，凹凸配管を避け，上向き配管方式の場合は先上がり配管，下向き配管方式の場合は先下がり配管とする（2021-112-2図参照）．上向き配管，下向き配管とも横引き管には1/300程度の勾配をつけ，給水管内の流速は0.9～1.2m/s（設計上の最高流速2.0m/s）となるよう管径を選択する．
-(5) 貯水槽は，水の使用量に対してあまり大きすぎると水が滞留して死水が発生し，衛生的に好ましくない．小さすぎると，断水のリスクが高まり，揚水ポンプ等が頻繁に発停して省エネ的でなくなる．受水槽は1日最大使用量の1/2，高置水槽は1/10の容量とする．