2023年

問題115給水設備の保守管理に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.

(1)貯水槽における定水位弁電極等の付属装置の動作不良により,断水・いっ水事故を起こすことがある.

(2)給水ポンプの軸受部がグランドパッキンの場合は,水滴が滴下していないことを確認する.

(3)管更生工法の一つに合成樹脂ライニングによる工法がある.

(4)給水ポンプの電流値が変動している場合は,異物のかみ込みなどの可能性がある.

(5)受水槽の水位制御の作動点検は,槽内のボールタップを手動で操作して行う.

2023年

問題115正解(2)頻出度AAA

軸受部は,潤滑と冷却のため,グランドパッキンから0.5cm3/s 程度の水滴が連続的に滴下しているのがよい.参考となる動画を次にあげる.

シールがメカニカルシールの場合は,漏れは必要だが,漏れ量はもっと少なくて良い(ISOによる許容漏れ量は5.6g/h=0.0016g/s).

主な給水ポンプの点検項目と頻度は2023-115-1表と下記参照.

2023-115-1表給水ポンプの点検
毎日行うもの 吸込み圧力,吐出し圧力,軸受温度,軸受部の漏水量,電流値と電圧,騒音・振動
毎月 電動機の絶縁抵抗,各部の温度測定
6カ月に1回 電動機とポンプの芯の狂い,基礎の点検,清掃
3~5年に1回 分解点検

1.吸込側の圧力計が振れている場合は空気を吸込んでいるか,吸込配管の詰まりが考えられる.
2.吐出側の圧力計が振れている場合はポンプ内か吐出配管の詰まりが考えられる.
3.電流値が定格値より大きい場合やメータの針が振れるのはポンプ内の片当たり,異物の噛み込みがある.
4.軸受部はグランドパッキンから0.5cm3/s程度の水滴が連続的に滴下しているのがよい.
5.絶縁抵抗が1MΩに満たない場合は早期の絶縁劣化が考えられるのでそのまま使用してはならない.
6.軸受温度は周囲温度+40℃以下,軸受部は60℃以下,電動機は周囲温度+50℃以下であればよい.

-(1) -(5) 貯水槽の定水位弁の仕組み2023-115-1図参照.
副弁として,電極棒制御の電磁弁を用いる場合はボールタップとの併用とする.電磁弁が故障し異常水位になると安全装置としてのボールタップが閉止し,主弁を閉止させる.ボールタップや主弁が故障すれば溢水する危険がある.

2023-115-1図貯水槽の定水位弁の仕組み
貯水槽の定水位弁の仕組

-(3) 管更生工法で管内に合成樹脂ライニングを施す場合には,技術評価・審査証明を受けた工法を採用するのがよい.