2023年

問題118正解（3）頻出度AAA

事務所の設計用給湯量は，手洗いと湯呑を洗うぐらいなので，もっと少なくて，7～10L/(人･日)程度である（2023-118-1表参照）．

2023-118-1表建物用途別設計湯量

建物用途	設計値（いずれも年平均1日当たり）
事務所	7～10L/人
ホテル（客室）	150～250L/人
総合病院	2～4L/m2
	100～200L/床
レストラン	40～80L/m2
軽食店（そば，喫茶，軽食）	20～30L/m2
集合住宅	150～300L/戸
大浴場洗い場	50L/人

-(1) 伸縮管継手は給湯配管の熱伸縮を吸収するもので，スリーブ型とベローズ型がある．伸縮吸収量はスリーブ型の方が大きい．

スリーブ型伸縮管継手（2023-118-1図）は，スリーブがパッキン部をすべって管の伸縮量を吸収する形式で，伸縮の吸収量が最大200mm程度と大きい．ただし伸縮吸収量の大きい場合は，枝管接続部に過大な応力が作用するので注意が必要である．

ベローズ型伸縮管継手（2023-118-2図）は，ベローズで管の伸縮を吸収する形式である．ベローズが1つの単式と2つ組み合わせた複式がある．材質としてはほとんどがステンレス鋼製である．正常な状態では漏水することはないが，ベローズが腐食や疲労破壊して漏水することがある．複式は，両側の伸縮量を吸収する．ベローズ型伸縮管継手の最大伸縮量は，複式で70mm程度，単式で35mm程度である．

出典タイヨージョイント株式会社
http://www.taiyojoint.co.jp/category/free/

出典株式会社 ベン
https://www.venn.co.jp/products/expansion_joint/jb-18

-(2) 中央式給湯設備における給湯温度は，レジオネラ症の発生を防ぐために60℃（最低でも55℃）で給湯し，返湯温度も50℃以下にならないようにする．

維持管理が適切に行われており，かつ，未端の絵水栓における当該水の水温温が55℃度以上に保持されている場合は，水質検査のうち，遊離残留塩素の含有率についての検査を省略しても良い．

-(4) 樹脂ライニング管，樹脂管の使用温度2023-118-2表参照．

2023-118-2表樹脂ライニング管，樹脂管の使用温度

耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管	85℃以下
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管 ポリブテン管	90℃以下
架橋ポリエチレン管	95℃以下

樹脂管は使用温度が高くなると許容使用圧力は低くなる（2023-118-3表参照）．

2023-118-3表耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管（呼び径 50 以下）の使用温度と許容使用圧力の例

使用温度［℃］	設計圧力（静水圧＋水撃圧）［MPa］
5～40	1.0
71～90	0.2

出典 クボタケミックス https://www.kubota-chemix.co.jp/dcms_media/other/faq10-20100720.pdf）

また，樹脂管を温度の高い湯に使用すると，塩素による劣化が生じやすい．

-(5) ガス給楊器のような給湯器の加熱能力は号数で表され，1分間に何リットルの水の温度を25℃上昇させられるかによる（16Lなら16号）．

1号＝4.182kJ/kg×25℃÷60秒＝1.7432kJ/秒≒1.74kWに相当