2023年
問題131排水槽と排水ポンプに関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.
(1)排水水中ポンプは,吸込みピットの壁面から200mm以上離して設置する.
(2)排水槽のマンホールは,排水水中ポンプ又はフート弁の直上に設置する.
(3)即時排水型ビルピット設備は,排水槽の悪臭防止に有効である.
(4)排水槽の底の勾配は,吸込みピットに向かって1/15以上1/10以下とする.
(5)汚物ポンプの最小口径は,40mmとする.
2023年
問題131正解(5)頻出度AAA
汚物ポンプの最小口径は,80mm である.
排水ポンプの種類(2023-131-1表参照).
排水槽の名称とポンプの名称が異なることに注意.
名称・種別 | 対象排水 | 最小口径 | 通過異物の大きさ | 備考 | |
汚水ポンプ | 浄化槽排水,湧水,雨水 | 40mm | 口径10%以下 | 原則として固形物を含まない排水. | |
雑排水ポンプ | 厨房以外の雑排水,雨水 | 50mm | 口径の30~40%以下 | 口径50mmで20mmの形異物が通過すること. | |
汚物ポンプ | ノンクロッグ型 | 汚水,厨房排水,産業排水 | 80mm | 口径の50~60%以下 | 口径80mmで53mmの木球が通過すること. |
ボルテックス型 | 口径の100% |
ノンクロッグ型(クロッグ:詰まり,ノンフロッグ:詰まりのない)水中ポンプの例を2023-131-1図に示す.
出典 株式会社 鶴見製作所
https://www.tsurumipump.co.jp/exposition/watertreatment-expo/newproduct/
-(1) ,-(2) ,-(4) 排水を建物から重力式で排除できない場合は,最下層に排水槽を設け,排水ポンプで排出する.
排水槽は,貯留する排水の種類によって汚水槽,雑俳水槽,湧水槽,雨水槽などがある.
排水槽の構造については2023-131-2図並びに下記参照.
1.マンホール
内部の保守点検が容易な位置(排水ポンプもしくはフート弁の真上)に有効内径600mm(直径が60cm以上の円が内接することができるもの)以上のマンホールを設ける.排水槽のマンホールふたはパッキン付き密閉型にする.
マンホールは2個以上設けることが望ましい.
2.排水槽の底部には吸込みピットを設け,ピットに向けて1/15以上,l/10以下の勾配を設ける.
掃作業時の安全を図るため底部の一部を階段にする.
吸込みピットは水中ポンプの周囲に保守のためのスペース並びにエアの吸込み防止のため200mm以上の空間を設けられる大きさとする.
3.通気管は単独に大気中に開口する.
排水槽は,通気管以外の部分から臭気が漏れない構造とする.
ブロワによってばっ気する場合は,槽内が正圧になるので排気を行う.
7.排水ポンプについて
1)排水ポンプは原則として 2 台設置し,常時は交互運転する.
2)排水ポンプは汚水の流入部から離して設置する(汚水とともにエアを吸う).
3)排水ポンプには,水中ポンプ,立て型ポンプ,横型ポンプ等があるが,設置スペースが要らず,据付の容易な水中ポンプが多く使用されている.
4)排水槽の水位・ポンプの運転の制御にはフロートスイッチ(2023-131-3図)が適している(電極棒は汚物が絡まり導通して誤動作する).
-(3) 即時排水型ビルピット設備は,排水槽の悪臭防止に有効である(2023-131-4図).