2023年

問題133排水設備の清掃と診断に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.

(1)スネークワイヤ法は,排水管内のグリースなどの固い付着物の除去に使用する方法である.

(2)酸性洗浄剤は,小便器配管の尿石の除去に使用する.

(3)ウォータラム法は,洗浄ノズルから高圧の水を噴射し,噴射力を利用して排水管内を洗浄する方法である.

(4)ロッド法は,1〜1.8mのロッドをつなぎ合わせ,手動で排水管内に挿入し清掃する方法である.

(5)排水管内部の腐食状況の診断には,内視鏡以外に超音波厚さ計などが用いられる.

2023年

問題133正解(3)頻出度AAA

洗浄ノズルから高圧の水を噴射して清掃するのは,高圧水法(高圧洗浄法)である.

排水管等,排水設備の清掃については,2023-133-1表参照.
ウォータラム法は,2023-133-1図参照.

2023-133-1表排水管の洗浄法一覧
洗浄方法 対象排水管 対象現象 備考
機械式洗浄法 高圧水法(高圧洗浄法) 器具排水管
排水横枝管
排水立て管
排水横主管
敷地排水管
油脂類等の付着汚雑物・異物の停滞,詰まり 高圧ポンプを装備した高圧洗浄車,ホース,ノズル等を用いて5~30MPaの高圧の水を噴射して排水管内の砂や汚物等を除去する.ちゅう房の固いグリースの除去には,スネークワイヤを併用する.
フレキシブルワイヤ法
(ワイヤ式管清掃機)法
器具排水管
排水横枝管
排水横主管
敷地排水管
グリースなどの固い付着物の除去汚雑物・異物の停滞,詰まり スネークワイヤ法とも言う.ワイヤの長さは25m以下なので,排水横管では25mまで,排水立て管ではワイヤの重量から20m程度が限界.
ロッド法 敷地排水管 汚雑物・異物の停滞,詰まり 1~1.8mの鉄製の棒(ロッド)をつなぎ合わせ,排水管内を清掃する.最大30mまで.運搬が容易.
ウォーターラム法 器具排水管
排水横枝管
詰まり汚雑物・異物の停滞 閉塞した管内に水を送り,圧縮空気を一気に放出してその衝撃で閉塞物を除去する.単純な停滞・詰まりに有効.グリースなどの固い付着物の除去は難しい.
化学的洗浄法 アルカリ性洗浄剤 器具排水管
排水横枝管
有機物・油脂類の付着詰まり アルカリ性洗浄剤(苛性ソーダ等)は温水を加えると発熱して活性化し,排水管の有機性付着物を溶解する.
酸性洗浄剤 器具排水管 尿石等尿固形物の付着,詰まり 酸性洗浄剤(硫酸・塩酸等)で,小便器配管の尿石等を除去する.

2023-133-1図ウォーターラム法による作業の様子
ウォーターラム法による作業の様子

出典株式会社カンツール
https://kantool.co.jp/product/page/3/

-(5) 排水管の劣化状態を調べる非破壊検査法として,腐食程度の確認には,超音波厚さ計,X線,過流かりゅう探傷装置(うず電流探傷試験装置)等,管内部の詰まり具合の確認は写真を撮影することができる内視鏡が用いられる.
X線による排水管の劣化状態の調査例を2023-133-2図に示す.

2023-133-2図X線による排水管の劣化状態の調査例
X線による排水管の劣化状態の調査例

出典カワナベ工業株式会社
https://www.kawanabe.co.jp/business/suidou/spt.html