2023年

問題135衛生器具設備に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.

(1)大便器洗浄弁の必要水圧は,50kPaである.

(2)温水洗浄式便座への給水は,上水を用いる.

(3)衛生器具は,給水器具,水受け容器,排水器具及び付属品の四つに分類される.

(4)洗面器の取り付け状態は,2か月に1回定期に点検する.

(5)大便器の洗浄水量は,JISA5207において,1形は8.5L以下と区分されている.

2023年

問題135正解(1)頻出度AAA

大便器洗浄弁の必要水圧は,70kPaである.

給水器具の最低必要水圧は,2023-135-1表参照.

2023-135-1表給水器具の最低必要動水圧
器具 kPa
一般水栓 30
大便器洗浄弁 70
小便器洗浄弁 70
シャワー 70
ガス瞬間湯沸器 4~5号 40
7~16号 50
22~30号 80

-(2) 温水洗浄式便座への給水は,人の飲用,炊事用,浴用その他人の生活の用に供する水と考えられるので,上水(飲料水)を用いる.雑用水などを給水してはならない.

-(3) 衛生器具の分類2023-135-1図参照.

2023-135-1図衛生器具の分類
衛生器具の分類

出典公益社団法人 空気調和・衛生工学会「SHASE‐S206」p.14 解説図2・2[衛生器具の分類]を基に作成

-(4) 衛生器具の定期点検2023-135-2表).

洗面器の取り付け状態だけが2か月に1回で,あとは6か月に1回である.

2023-135-2表衛生器具の定期点検
区分 項目 回数 作業内容
大便器
小便器
取り付け状態 6か月に1回

便器のフランジ,取り付けボルトの緩み,損傷の有無を点検.

排水状態 6か月に1回

・便器と床・壁との接合部の良否を点検.

・排水の引き具合,詰まりの有無を点検.

・トラップの封水,詰まり,付着物の有無を点検し,封水が破れている場合は,原因を調べる.

洗面器 取り付け状態 2か月に1回

陶器,排水口金物,排水管及びトラップ等の接合部の緩みの有無を点検し,緩みがある場合は,締め増しする.

排水状態 6か月に1回

・排水の引き具合及び詰まりの有無を点検し,異常がある場合は,付着物,異物を除去する.

・トラップの封水の有無を点検し,封水が破れている場合は,原因を確かめる.

洗浄タンク
洗浄弁
詰まり,汚れ 6か月に1回

・タンク内の汚れ,ボールタップのストレーナ,ピストン部の詰まりの有無を点検.

・洗浄管内の詰まりの有無を点検.

水量調節等 6か月に1回

・洗浄弁を操作して排水状態を点検.

・洗浄弁のピストン及びハンドルノブの作動の良否を点検.

・バキュームブレーカの空気取入口の詰まりの有無を点検し,詰まりがある場合は除去.

・水圧,吐水時間の適否を点検して水量調整する.

・ボールタップの作動状態を点検する.

出典 公益社団法人 日本建築衛生管理教育センター「新建築物の環境衛生管理」(平成31年3月31日 第1版第1刷)中518 表6-8-5(7) を基に作成

-(5) JIS の定める大便器の洗浄水量を,小便器の洗浄水量と合わせて2023-135-3表に示す.

2023-135-3表洗浄水量区分(JIS A5207)
種類 区分 洗浄水量[L]
大便器 Ⅰ形 8.5以下
節水Ⅱ形 6.5以下
小便器 節水Ⅰ形 4.0以下
節水Ⅱ形 2.0以下

※ JISでは,Ⅰ形の「節水」は,省かれている.

大便器の節水型洗浄弁をノンホールド型という.ハンドルを押し続けている間水が流れるタイプはホールド型という).