2024年
問題85面音源からの音圧レベルの伝搬特性に関する次の文章の 内に入る語句の組合せとして,最も適当なものはどれか.
下の図に示す寸法(
)の長方形の面音源について,面音源中心から面に対して垂直方向への距離を
とした場合,音源付近
では ア としての伝搬特性を示し,
では線音源に対応する減衰特性を,
の範囲では イ に対応する減衰特性を示す.
の範囲で音源からの距離が2倍になると ウ dB減衰する.
アイウ
(1)点音源 面音源 3
(2)点音源 面音源 6
(3)面音源 点音源 3
(4)面音源 点音源 6
(5)面音源 点音源 10
2024年
問題85正解(3)頻出度AAA
図を再掲する.
面音源からの距離が最も近いでは音はほとんど減衰しない.
中間のでは線音源の減衰特性を示す.
最も遠いでは,点音源の減衰特性を示す.
dBの計算を以下にまとめた.
1.騒音源の個数が増えた場合のdB計算
同じ騒音レベルの機械を台同時に運転すると,音の強さ
[W/m2]が
倍になる.1台のときの騒音レベル(音の強さのレベル)を
[dB(A)]とすると,
台同時に運転したときの騒音レベル
は,音の強さのレベルの定義から,
すなわち,になる.
2台なら,
+3dBになる.すなわち,例えば1台で80dB(A)なら2台で83dB(A)になる.
4台なら,
+6dBになる.
6台なら,
+8dBになる.
8台なら,
+9dBになる.
10台なら,
+10dBになる.
2.騒音源からの距離による減衰の計算
点音源の場合,音源からの距離が2倍になると音の強さは になる.これを音の強さのレベルの定義式に入れて,
距離が10倍になると,
・・・20dB減衰する.
線音源の場合,音源からの距離が2倍になると音の強さは1/2になる.
・・・3dB減衰する.
線音源で距離が10になると,
・・・10dB減衰する.
上記の計算では次の対数法則を適宜利用した.
のとき,
を,
を底とする
の対数という.
は自明の場合は省略することが多い.
指数法則,などから,
法則1
法則2
法則3
法則4
真数,
が掛け算のときはそれぞれの対数の足し算,割り算のときはそれぞれの対数の引き算に分解できる.
dBの計算問題は,受験対策的には2024-85-1表を覚えてしまうのがよい.
点状の騒音源から2倍の距離 | -6dB |
点状の騒音源から10倍の距離 | -20dB |
線状の騒音源から2倍の距離 | -3dB |
線状の騒音源から10倍の距離 | -10dB |
同じ騒音レベルの機械を2台 | +3dB |
同じ騒音レベルの機械を4台 | +6dB |
同じ騒音レベルの機械を8台 | +9dB |
同じ騒音レベルの機械を10台 | +10dB |
3.ここのところよく出題される面状の音源(2024-85-1図)からの距離による減衰.
有限の面積の面音源では,音源からの距離dによって,下記のように面音源~線音源~点音源の減衰特性を示す.
①・・・・・面音源の特性
(ほとんど減衰しない)
②・・・・・線音源の特性
(-3dB/d.d.※)
③・・・・・点音源の特性
(-6dB/d.d.)
※ d.d.:ダブル・ディスタンス=距離が倍になるごとに.
この減衰特性をグラフにすると2024-85-2図のようになる.