2023年
問題84騒音と振動に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.
(1)不規則かつ大幅に変動する振動の表示方法として,時間率レベルが示されている.
(2)回折減袞効果を利用した振動対策として防振溝がある.
(3)道路交通振動に対する振動規制は,昼間より夜間の方が厳しい.
(4)低周波数域の騒音に対する人の感度は低い.
(5)低周波数の全身振動よりも高周波数の全身振動の方が感じやすい.
2023年
問題84正解(5)頻出度AAA
全身振動では低周波数域に対してヒトの感覚は鋭く,周波数の増加とともに感覚が鈍くなってくる.鉛直振動では 4~8Hz の振動に最も感じやすい.水平振動では1~2Hzである(本年問題35解説参照).
-(1) ,-(3) 時間率レベルは,不規則かつ大幅に変動する振動の場合の表示方法で,振動規制法では,振動レベル計で,VL(振動レベル)を5秒間隔で100回程度測定し,全ての測定値を大きさの順に並べ替えて大きい方から 10%目の数値である 80%レンジ上端値L10を用いる.100回のうち,10回が75dB以上であれば,L10は75dBとなる.
工場や道路交通振動の規制基準は昼夜で異なり,夜間が5dB厳しくなっている(2018年問題84解説参照).
-(2) 建築物外から伝搬・侵入する道路交通振動や列車振動等に対する対策方法は,建築物又は敷地境界に「防振溝」を設ける方法等が有効な対策法としてあげられる.回折減衰効果(障害物などにより進行方向が曲げられることによる振動の減衰効果)を利用する防振溝は,溝が深いほど,また振動源に近いほど効果が大きくなる.
-(4) 振動と違って,騒音に対しては低周波数域で人の聴覚の感度は低い.前問の等ラウドネス曲線をみるとそのことがよくわかる.